寝起き地獄。〜小説風〜

10:30分・・・

「ぷるるるるる」
(うん?な、なんだ?ああ、電話か。)
机の上に、朝からけたたましく鳴り響く携帯電話があった。

(寒いし、面倒だな)

そのまま無視して寝てしまおうと思ったが、何かがひっかかる。
何かを感じ、僕は携帯を手に取った。

(ったく、誰だ、こんな時間から・・)

番号が書かれている。
「052−×××-×××」

(あ、052だ。ってことは名古屋からか。もしかして・・・!)
そう思った僕は、おもむろに布団から飛び出し、電話を受けた。

僕 :「もしもし!」
相手:「もしもし、お世話になります、○○○の○と申します。」

(やっぱり、履歴書を送った会社からだ。)
寝起きでしわがれた声を必死に直し、平静を装う。

僕 :「どうも、お世話になります!」
相手:「履歴書、目を通させていただきました。弊社を選んでいただきまして、ありがとうございます」

(ああ、ちゃんと読んでくれたんだ、自信作だからな)
僕 :「こちらこそ、ありがとうございます!」

少しの間。

相手:「で、そのー、残念ですが、今回は不採用ということにさせて頂きます。」

(え?)

僕 :「は、はぁい・・」
その時僕は、何が起こったのか理解しがたい状況を必死でまとめ、冷静さを取り戻そうとした。

幸い、隣の部屋に寝ている兄貴に、この情けない声は聞かれていなかったようだ。

相手:「で、お送りいただきましたUSBと履歴書をお返しいたしますので、よろしくお願いします。」

僕 :「あ、お願いします・・」

1秒、2秒ほどたった後、僕は携帯を切った。切ったというより、切らざるを得なかった。

(なんだろう、この気持ちは)

初めて経験するようで、初めてじゃない。昔も味わったことのあるようなこの気持ち。

こうして、僕の朝は始まりとともに終わった。

P.S.

ちなみに、今日もう一社に電話して、すぐにでも面接を受けたいと熱っぽく語った。
それを察してか、明日来てもいいということに。
ということで、明日さっそく行くことに。

(なんだろう、この気持ちは)

明日、頑張ってきます!!本気で受かりたい!まじで!